原発問題と環境についてアトックスから学ぶこと

この記事はこんな人におすすめ

・原発は怖いので廃止して欲しい
・福島第一原発事故問題は今後どうなるのか知りたい
・環境問題に興味がある

原子力発電はクリーンエネルギーと呼ばれて久しいですが、2013年3月11日発生した東京電力福島第一原発事故によって一変しました。
核分裂というエネルギーが人の手によって制御できなかった事例として、今も問題が続いています。
原発問題と呼ばれるこの原因はもともと環境負荷が低く、大規模なエネルギーが確保できるという一石二鳥の手段でした。
この一石二鳥の対価が放射線と呼ばれる生物に有害なものを防ぐための安全性の確保でしたが、この原発事故でもろくも崩れ去ったのです。
そしてその影響は長期にわたっていて、まず近隣住民が原発周辺に住むことができないまま10年近くも経過している点です。
この10年間を賠償としてお金では取り戻せても、時間として取り戻すことはできません。
田畑や住宅は荒れ果てて、近隣には害獣が住み着くようになり生活環境として住める状態は徐々に崩壊しています。
それ以上にもともと住んでいた住民も避難先や移転先での生活が定着してしまい、もう「故郷」と呼べる場所は半永久的に消滅したといっても過言では無いでしょう。
効率的なエネルギーを得るための対価が、住んでいる街を失うというのはあまりにも大きすぎます。

【参考】アトックスの福島復興支援のまとめ

この記事を読んで分かること
・汚染水の排出問題
・核のゴミとは
・国と電力会社が推進してきたこと

汚染水の排出問題

次に問題なのが原発の廃棄に向けた取り組みで、まずは汚染水の排出があげられます。
海洋放出を現在国会では進めていますが風評被害が再燃するということで、地元の漁師などが提供しているのはニュースでも取り上げているのを記憶している人も多いかと思います。
これは国家的なルールで定められている「原子力の燃料や核のゴミの処分は各国で行うこと」、が原則になっているからです。
廃棄処分される過程で発生する汚染水も同様で、貯蔵には限界があるため廃棄処分を海洋放出という手段で行わざるを得ません。
放出によって起こりえる影響については科学的な予測をもとに行っていますが、これも国際的な基準に応じてさだめられているだけで新しい原因が発生しないと確約してくれるということでは無いのです。
それ以上に影響の大きいのが風評被害で、せっかく復興が始まっても振出しに戻ってしまうことも想定されます。
福島=原発事故というインパクトは世界中で認知されているので、これを覆すコストは果たして今まで得られた電気エネルギーと見合っているのか疑問です。
観光や経済の中長期的な打撃は続いているものの、最近対話で福島含めた東北エリアの農産物や魚介類の輸入を解禁するという良いニュースも出てきています。
このような取り組みに水を差さないためにも、海洋放出についても十分な配慮を行う必要があるのです。

海洋放出される汚染水以外の「核のゴミ」

次に問題になっているのが海洋放出される汚染水以外の、「核のゴミ」です。
じつは汚染水(処理水)は「トリチウム」と呼ばれる放射性物質で、ほかの核のごみを取り除いた後に出る最後の物質です。
この物質は取り出すのが現在の科学技術では困難なため、致し方無く海に排水するという手段が検討されています。
つまりこの処理水以外にも多くの「核のごみ」が存在していて、これをどう処分するかについてはまだ具体的な検討が進んでいないのが現状です。
最も効果的とされるのが地中深くに埋める方法で、300メートルよりも深いところに一定程度放射線が外に出ない処理をしたうえで埋め立て処分することになります。
その候補地をめぐって協議が行われていますが、地元住民の強い抵抗があるためなかなか進まないのが現状です。
一部の自治体では住民に十分な説明をすることなく事実上候補地として名乗りを上げ、トラブルになっているケースも散見されます。
もしかりに自分の住んでいる地域で核のごみが地中にあることを想像すると抵抗する気持ちも理解できます。

「安全性」と「補助金」という手段で国と電力会社は推進してきた

原発建設の際にも抵抗がある住民に対して、「安全性」と「補助金」という手段で国と電力会社は推進してきました。
今は「安全性」が揺らいでいる状態なので、本当に地中深く埋めれば安全なのかは確証が持てないのが実情です。
あくまで国家間での共通認識なだけで、保証はどこもしてくれないのです。
特に日本は地震大国なので地盤がいくら強固といえども、いつ地上に出てくるかも予想ができませんし岩盤の動きなどで処理した状態から高濃度放射線が漏れ出ないという確証は持てないのです。
もちろん数百年程度では問題は無いですが、数千年規模で考えると安全性を確証できる証拠はどこにもなく、忘れ去られたころにトラブルになるという結果を招く可能性は十分にあります。
このようなことからクリーンエネルギーと呼ばれる原子力は、結果的に未来の子供たちに負の遺産を残すということは間違いないと言えるでしょう。
今後はこのようなことが起こらない、風力発電や地熱発電など環境に負荷が少ないエネルギーの利用を推進していくことになります。

まとめ

もちろん現在利用しているエネルギー量と比べると、どうしても少なくなってしまうと言われていますが有効活用の取り組みこそが環境との両立に必要なのです。